7/22

 こんにちは。今回もまた日記。

 

 『オン・ザ・ロード』に衝撃を受けてこのブログを始めたのが113日前、とはてなブログは教えてくれる。113日間。ほぼ四か月。この間に僕は何を得てきたのだろうかと思ったりもする。その自問は無意味で今は晩御飯をどう調達するかの方が問題だったりもする。そんな風に僕は僕の人生を削り取って生きている。

 

 

 明日から期末試験が始まるから今日は一日中勉強する予定だった。もちろんその予定は守られていない。昨日の時点で守られないことは分かっていた。でもこんなにも自分が勉強できない人間だとは思ってなかった。知り合いからもらった過去問を近くのコンビニで印刷して睨んでみた。ほとんど何が書いてあるのか分からない。これはもう誇張表現とかではなく事実だ。『裸のランチ』を読んでいるような気分だ。でも僕の周りにはこれを読める人間がたくさんいるのでたちが悪い。まいってしまう。

 

 そんなことだから意識は狭い部屋の中を跳ね回る。部屋は狭くて汚い。レジュメや教科書が床に散らばっている。取り込んだだけの洗濯物が積み重なっている。いつ飲んだものか分からないペットボトルや空き缶が机の上に並んでいる。お母さんは悲しむだろうな。この部屋には無用なものが多すぎる。バイト先から渡された宣伝用のうちわが50個ぐらいある。うちわを数えるときって個なのかな?枚なのかな?ちょっとクーラーが効きすぎているな。

 

 勉強はしていなくても部屋からは出ない。外は殺人的な暑さで、文字通り人が殺されている。NHKのニュースを見るたびに熱中症で死んだ人の数が増えている。赤の他人だし何の実感も湧かないけれど、それでもやっぱりちょっと悲しい。とか考えていたら向かいのマンションに救急車が止まった。救急車は移動中だけ騒がしくて、目的地に着くとサイレンを切るものだから、しばらくの間は向かいのマンションに止まったということに気がつかなかった。野次馬精神が働いてベランダにでて観察する。車いすにのったおばあちゃんが運び出されてきて、その後に出てきた息子と思われる人が救急隊員の質問を受けている。おばあちゃんはそこまでしんどそうには見えない。なんだか野次馬をしていた自分が恥ずかしくなってそそくさと部屋の中に戻った。救急車は静かにマンションの前を去っていった。

 

 

 こんなことを書くことに何の意味があるんだろう。ぼんやり考える。ぼんやりとしか考えられないからもちろん明確な答えなんて出せなくて、というか明確な答えなんてものはないのかもしれない。でも同じ学科の人たちは物理化学の試験問題に明確な答えを出している。そんなことばかり考えている。どこにも行けないし、どこにも行きたくない。何もできないし、何もしたくない。

 

 

 このブログを一か月近く放置していた。試験勉強で忙しいから、という当時の言い訳は今となっては嘘だと分かる。勉強もせず本も読まない時間が確かにあった。そんな時間を何と呼ぶべきだろうか、日記にはよく「虚無」なんて書くけれどそんなにかっこいい名前があてられる時間ではないと思う。その時間を利用してブログを更新したりすれば日記に書くことも増えたのだろうけど、それでもやっぱりその時間には本の感想を書くような精神が備わっていなかったと思う。なので読み終えはしたけど記事にしていない本が五冊ある。読み終えたときの感動はどんどん流されていく。僕のくだらない感情の流れ。後には何も残らない。

 

 ランダムに書くのは結構楽しい。いつもはスタイルを気にしすぎているせいか書くことを苦痛に感じたりもする。文体も無理に”ですます”にしなくてもいいんじゃないかな。でも次にはもう恥ずかしくなって”ですます”に戻しているのかもしれない。僕の混乱の表れだ。

 

 

 混乱と言えば二週間ほど前に読んだジョン・アーヴィングの『熊を放つ』に良い文章があった。

 

 〈彼は良い男だ。混乱していて未熟ではあるが。〉(下巻p182)

 

 

 混乱していて未熟な僕は良い男になれるだろうか。そんなことばかり考えている。